補助金制度もさまざまありますが、意外と忘れがちなのが税額控除系の中小企業支援策です。
このタイミングであらためて、税制優遇を受けられるかどうかをチェックしましょう。
※設備投資を行った中小企業が対象です!(ソフトウェアも含まれます)
1)先端設備等導入計画
パンフレットには
①中小事業者等が、②適用期間内に、市区町村から認定を受けた「先端設備等導入計画」に基づき、③一定の設備を新規取得した場合、新規取得設備に係る固定資産税の課税標準が3年間にわたってゼロ~1/2の間で市町村が定めた割合に軽減されます。
とあります。要するに固定資産税を払わなくてもよい、ということです。
ただし、今から申請しても本年度の税制優遇を受けるのはかなり厳しいかもしれません。
理由は、①年末(税務申告)までに設備を取得しておくこと、②設備取得前に申請・認定が完了していること、が前提となるからです。
先端設備等については、以下のとおり、「先端設備等導入計画」の認定後に取得することが 【必須】です。 中小企業等経営強化法における「経営力向上計画」のように、設備取得後に計画申請を認める特例はございませんのでご注意下さい。
との記載があるように、経営力向上計画と勘違いされている場合も多くあると思います。先端設備等導入計画については「設備導入前に申請・認定される」ことが大原則であることに注意しておかないといけません。
よくある話で、ものづくり補助金の申請に合わせて申請・認定された設備の場合は、条件を満たしているものの、それ以外に導入した設備に関して申請していなかったため、特例が受けられない、というケースも多いようです。
しつこいようですが「認定後に取得」という原則を忘れないように!
(ちなみに、購入だけではなくリースも対象となるので活用度は高い中小企業支援制度です)
2)経営力向上計画
パンフレットには
青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき③一定の設備を新規取得等して④指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。
とあります。要するに減税(税額控除)されるということです。また、
・事業年度の法人税額又は所得税額の20%までを上限
・税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越せる
・特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、 その償却不足額を翌事業年度に繰り越せる
と、税額控除もさることながら、「繰り越せる」ところが魅力です。
さらに、
設備を取得した後に経営力向上計画を申請する場合には、設備取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります(計画変更により設備を追加する場合も同様です)
となっており、12月末に事業年度末を迎える個人事業主、法人の方はさかのぼって10月初旬以降の導入設備であれば、特例を受けることができそうです。(今すぐ申請すれば間に合うかも、といったスケジュール感ですが…)
先端設備等導入計画の固定資産税ゼロが間に合わなくても、税額控除だけでも受けられれば、メリットは大きいです。
まとめ)
ものづくり補助金は導入設備資金の1/2〜2/3を補助金として獲得できる、中小企業にとってはとても嬉しい制度です。
一方で、ものづくり補助金の付録みたいに扱われがちな「先端設備等導入計画」や「経営力向上計画」も、各々単独でも非常に活用度の高い制度です。
年末を迎えるこの時期に、あらためて制度活用の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
文責:大谷将良(株式会社ブループリント)