回を追うごとにドロドロとした人情路線に突入の下町ロケットです。この何回かは農林協(農協ではない!)のイジメにあう殿村氏がいたたまれなくて…。
さて、今回の着眼点は、人事戦略(ヒューマン・リソース・マネジメント)です。中小企業診断士の方は「茶化」でおなじみです。
採用・配置・報酬・育成・評価を語呂にすると「茶化」になるわけですが、中でも「採用・配置」に着目です。
第十話では、島津氏(イモトアヤコさん)、軽部氏(徳重聡さん)の人間性にフォーカスされていました。(個人の見解です)
「採用」については、いかに中小企業が優秀な人材を獲得することが困難なのかを、ドラマではうまく表現されていました。佃社長が娘を前に吐露したシーンは印象的です。また、ギアゴースト伊丹社長の復帰オファーを断るシーンも象徴的でした。
中小企業が良い人材を獲得するためには、条件ではなく、やりがいや共感が大切です。もちろん待遇面(報酬)も重要な要素ではあるのですが、大企業と比べると、見劣りしがちです。
もう一つは、「配置」です。軽部氏は根っからの技術者のようです。マネジャー向きではない。そこに、島津氏が新たに加わることによって、チームのバランスが補正されました。
山崎技術開発部長が「これで一枚岩になりました」というセリフが物語っていますね。軽部氏も肩の荷が降りたことでしょう。
最後に、「茶化」からは少し別の角度から、HRMの観点から重要シーンが有りました。
「島ちゃん軽ちゃん」というやつです。ちょっと、ウワァってなるような演出ですが、なかなかどうして、佃製作所の組織風土が垣間見えるシーンでした。
「茶化」が組織マネジメントにおけるハードの側面だとすれば、「島ちゃん軽ちゃん」はソフトの側面ですね。
とかく組織マネジメントといえば、制度設計などハード面に注目しがちですが、チームビルディングにおけるマインドの醸成(モラールやモチベーションと言ったりもしますが)など、ソフト面での組織マネジメントのほうが、むしろ最近は注目される傾向にあります。
下町ロケットの組織マネジメントに着目すると、触れないといけないところもまだまだありそうですが、それはまたの機会にブログにでも纏めてみようかと思います。
来週は最終回です。そういえば、ロケットはどこに行ったのやら。